ゆくゆくは新興宗教の教祖になりたい人が読むべき5冊
中学時代「田中くんによる鈴木教」の思い出
今の若い子はどうかは知りませんが、私のような30代なら、学生時代に誰もが一度は「教祖になりたい!」と思ったことがあるのではないでしょうか。
中学生の頃、私の学校ではクラスメイトの一部の男子たちが宗教を作っていて、「田中くんが教祖なのに鈴木教」というよくわからない集団が暗躍していました。
スポーツができるわけでも、頭が良いわけでも、カッコいいわけでもなかった、田中くん。どちらかといえばブサイクでバカだった。
しかし、そのカリスマ性はすさまじく、鈴木教の教えであった
「授業中は左手しか使わないこと」
「給食の牛乳(ホワイトジュースと呼んでいた)は飲まずに取っておいて、放課後にみんなで一杯やってから帰ること」
「5分休みは交代で下駄箱を見張り、エアマックス狩りを阻止すること」
「イジメ撲滅」
など、30個くらいあった謎の教義が圧倒的な支持を得て、最終的には私を含めて女子も男子もクラスメイトのほとんどが入信。スクールカーストの上にいた不良っぽい男子やイケてる女子までも信者となりました。
私はおもしろそうだからという理由で信者にしてもらい、鈴木教の信者の証である「鈴木カード」をもらいました。ちなみに鈴木カードには、会員番号と名前、そして田中くんの手書きで「死ぬのは生きてから」と書いてあった。
私もいつか教祖になりたい
そんな中学生の思い出もあり、教祖って楽しそうだな、教祖って羨ましいな、という気持ちが心のどこかにつねにあったのかもしれません。
大人になった今でも「いつかわたしも教祖になりたい」という潜在意識があるのか、そういった類の本があるとつい読んでしまうのです。
(あ、言っておきますが、私は特定の宗教に入っておりませんので。おそらく後にも先にも、入信したのは田中くんによる鈴木教だけです)
前置きが長くなりましたが、そんな私のような「ゆくゆくは教祖になりたい」願望がある人が読むべき本を厳選して5冊、今回は紹介します。
その1 完全教祖マニュアル
教祖になりたい人にマストな一冊はコレ。宗教の成り立ちからビジネスとして考えた教祖のあり方まで詳しく書いてあるのですが……はっきり言って笑えます。「弱い人を探そう」「金持ちを狙おう」「奇跡を起こせ」「甘い汁を吸え」など、教祖になりたくない人が読んでも面白いと思いますよ。
その2 新宗教 儲けのカラクリ
宗教といえば金。教祖といえば金。信者と書いて「儲ける」というように、実在の宗教団体を例にあげて、宗教にまつわるお金まわりの話が満載です。ビジネスにも役立つ一冊なのではないでしょうか。
その3 宗教法人ハンドブック
私はまだこれを読む段階までいっていないので未読なのですが、「そろそろ教祖になろうかな」と近い将来のデビューを考えている方なら、読んでおいた方がよさそう。
内容紹介には
宗教法人の設立から解散まで、宗教法人会計規定、決算書の作り方、税務のポイントを解説。“宗教法人とは何か”がわかる1冊
とあるので、教祖になることが決まったら、まず最初のお布施で購入しておくべきでしょう。
その4 池上彰の世界の宗教が面白いほどわかる本
[図解]池上彰の 世界の宗教が面白いほどわかる本 (中経の文庫)
- 作者: 池上彰
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/中経出版
- 発売日: 2013/08/26
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いろんな“教祖本”を読んでいると、だいたいどの本にも「既存の宗教の良いところを真似よう」みたいなことを言っています。つまり世界の宗教を知ることは、良い教祖になるための第一歩。別に教祖になりたくないという人でも、グローバルな社会で活躍したいなら宗教は知っておいた方がよいので、勉強になりますよ。
その5 新約聖書
世界一のベストセラー本・聖書。どんな宗教を起こすにせよ、教祖になりたいなら読んでおいて損はないはず。「いや、オレそういうの興味ないし」「アタシのまわりで聖書読んでる人なんていないんだけど」とか言っても、世界的に見ればあなたたちのほうがマイノリティですから!
と、なんだかキリスト教の回し者みたいなことを書いてしまいましたが、意外と大人になってから読むと、読み物としても面白いんですよ(私は自分で教祖になりたいので入信しませんが)。
60歳くらいになったら教祖デビューに向けて動き出したい
……というわけで、私のように「ゆくゆくは信仰宗教の教祖になりたい」という人に向けておすすめの5冊をピックアップしてみました。私は今のところは仕事に満足しているので、60歳くらいになったら教祖デビューに向けて動き出そうかと思っています。
ちなみに、先日地元に帰ったので友達に、鈴木教の教祖だった田中くんの近況について聞いてみると、なんと公務員で美人の奥さんと結婚してパパになったのだとか。
チッ、自分だけ幸せになりやがって。もう鈴木教は布教していないのかな?
田中くん、私は今でも「死ぬのは生きてから」をちゃんと守っていますから。